【離婚のご相談②】離婚で行う取り決め項目

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離婚件数の8割以上は「協議離婚」となっており、FPのところへは「財産分与」に関する質問をきっかけにご相談にこられる方が多いです。きっかけは「財産分与」ですが、合わせて協議離婚の流れや取り決め項目などの概要をお伝えすることになります。
今回は離婚での取り決め事項について解説します。

目次

離婚の公正証書の条項

離婚の取り決めを公証役場で行う場合、公正証書で作成することになります。
各条項のうち、当事者の要望・必要性に応じてこれらの項目の中から選んで記載します。

  1. 離婚の合意
  2. 親権者と監護権者(監護権者とは、子の監護養育をする者で、親権と分離して別に監護者を定めない限り、親権者が当然監護養育すべきことになります。)の定め
  3. 子供の養育費
  4. 子供との面会交流
  5. 離婚慰謝料
  6. 離婚による財産分与
  7. 住所変更等の通知義務
  8. 清算条項
  9. 強制執行認諾
日本公証人連合会 HPより

親権者と監護者

未成年の子どもの親権者を父母のどちらか一方に指定します。
親権者となる親が子どもを監護する(子どもと一緒に住む)ことが原則ですが、親権者と監護者を父母それぞれに分けることもあります。

養育費

子どもを監護養育しない親側から監護する親側へ支払う監護養育にかかる費用(生活費、教育費など)の分担金を養育費と言います。
親は、未成年の子に対して扶養義務を負っているからです。
未成年の子本人も父母に対して扶養料の請求をすることができます。

面会交流

離婚後に親権者(監護者)とならない親が子どもと会うことの取り決めです。

離婚慰謝料

夫婦のどちらか一方に主な有責行為(不貞行為、暴力など)があった場合に、他方に支払う損害賠償のことです。

財産分与

婚姻中に夫婦の協力によって形成された財産は原則として夫婦共有財産です。その夫婦共有財産の清算をすることを財産分与と言います。
離婚後に一方が生活に困窮することが予想されるときに、これを支援する趣旨で財産分与を行う場合も多くあります(扶養的財産分与)
財産分与の中に慰謝料を含めて請求することも可能です。

住宅ローンの問題

財産分与の中で、住宅ローンの残債がある自宅について問題となることが多いです。
夫婦共に自宅に住まず、自宅売却で住宅ローンが完済できれば問題はありません。しかし、夫婦の一方が自宅に住む場合、住宅ローンの返済について金融機関との調整が必要になってきます。
配偶者に資金力がある場合は金融機関の審査が通りますが、資金力がない場合は追加担保や一括返済を求められる場合もあります。
金融機関との調整をしつつ、自宅の分与を考えていく必要があります。

年金分割

離婚する夫婦の年金受給格差を是正するため、結婚していた期間の厚生年金(または共済年金)を夫婦で調整して振り分けることができます。
年金分割の方法は、夫婦の合意により分割する「合意分割」と、合意がなくても分割が認められる「3号分割」があります。

解決金による調整

離婚したい側が相手側から離婚することに同意を得るため、解決金を支払うことがあります。
財産分与の中で解決金を勘案して調整することも多くあります。

婚姻費用の精算

離婚の届出前から別居生活を開始しているときは、別居期間に生活費(婚姻費用)が支払われていないことがあります。
生活費(婚姻費用)の未払いが残っている場合は、その支払いを離婚契約で取り決めることもあります。

その他

夫婦の個別事情によっては、離婚した後の住宅の使用契約、個人で借りた借金の返済などについて離婚契約に含めて確認することもあります。

FP相談の現場から

離婚の取り決めは、口約束でも行うことはできますが、後々になってトラブルにならないためにも文書化するのがベストです。
話し合いができない状況で離婚に至るケースもありますが、私のところへご相談に来られるかたは基本的に夫婦の納得が得られたうえでの協議離婚のケースです。
話し合うのが面倒だったり嫌になってしまう気持ちも理解できますが、ここで話し合っておかないとトラブルになったり「ああしておけばよかった」ということになりかねません。
専門家などの第三者に入ってもらうことで、感情的にならずに漏れなく取り決めを行うことができます。

この記事を書いた人

FPあちこのアバター FPあちこ 1級ファイナンシャル・プランニング技能士

浜松市の独立系ファイナンシャルプランナー

保険や投資信託などの金融商品の販売はしないコンサル専業FPです。
住宅購入の際、長年税理士事務所に勤めていながら知識がないことにショックを受ける。
そんな時にFP資格に出会い、もっと知りたい!と思っているうちに独立系FPになっていました。
税理士事務所・行政書士事務所・保険代理店・金融機関での実務経験を活かした実践的コンサルをしています。

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