【住宅購入のキホン】住宅購入時にかかる費用

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住宅購入する場合、物件の代金のほかにもかかる費用があります。
どういった費用がどのくらいかかるのか、全体像は把握しておきたいですよね。
今回は住宅購入時にかかる費用について、概要を解説します。

目次

物件別かかる費用

住宅購入時の費用は、戸建てorマンション、新築or中古かによって必要となる費用が違います。

注文住宅建売住宅中古一戸建て新築マンション中古マンション
1印紙税
2仲介手数料
3登記費用
4不動産取得税
5固定資産税精算金
6修繕積立基金
7水道負担金
8住宅ローン費用
9その他(解体・地盤調査など)

印紙税

印紙税とは、一定の「課税文書」に課税される税金です。
住宅購入では、不動産売買契約書、建設工事請負契約書、金銭消費貸借契約書(住宅ローン契約)といった契約書を取り交わすため印紙の貼付が必要になります。
契約書は通常当事者が1通ずつ作成しますので、印紙も各1通分必要です。

不動産売買契約書

2024年3月31日まで住宅購入に関する場合の軽減があります。

記載された契約金額本則軽減
1万円未満非課税非課税
10万円以下200円200円
50万円以下400円200円
100万円以下1,000円500円
500万円以下2,000円1,000円
1,000万円以下1万円5,000円
5,000万円以下2万円1万円
1億円以下6万円3万円
5億円以下10万円6万円
10億円以下20万円16万円
50億円以下40万円32万円
50億円超60万円48万円
記載金額がないもの200円200円

建設工事請負契約書

2024年3月31日まで住宅購入に関する場合の軽減があります。

記載された契約金額本則軽減
1万円未満非課税非課税
100万円以下200円200円
200万円以下400円200円
300万円以下1,000円500円
500万円以下2,000円1,000円
1,000万円以下1万円5,000円
5,000万円以下2万円1万円
1億円以下6万円3万円
5億円以下10万円6万円
10億円以下20万円16万円
50億円以下40万円32万円
50億円超60万円48万円
記載金額がないもの200円200円

国税庁HP No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置
国税庁HP No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで

仲介手数料

土地や建物などの物件を不動産仲介を通じて購入した場合、不動産業者に支払うお金です。
仲介手数料は、宅地建物取引業法で上限が定められています。

売買価格仲介手数料上限
200万円まで取引価格の5%
200万円超400万円以下取引価格の4%
400万円超取引価格の3%

不動産の売主から直接購入する場合(売主物件)は、仲介手数料は必要ありません。
建売の売主物件は仲介手数料がかかりません。
建築条件付き土地(売り建て住宅)の場合、土地の売主が施工業者で不動産仲介が入らない場合、仲介手数料はかかりません。しかし、土地の売主が施工業者であっても不動産仲介が入る場合は仲介手数料が発生します。
売主物件と仲介物件とではそれぞれメリットデメリットがあるので、一概にどちらが良いとは言えません。

売主物件仲介物件
メリット仲介手数料不要
物件に対する情報が詳細で正確
レスポンスが早い
取り扱い件数が多い
プロのアドバイスがもらえる
交渉を代わりに行ってもらえる
デメリット買主が直接交渉する
プロでないと判断が難しい
売主物件数は相対的に少ない
仲介手数料がかかる
物件の情報はそれほど詳しくない可能性

登記費用

登記とは、土地や建物の所有権などの権利関係を法務局の登記簿に記載することです。
民法上は「登記をしなければ、第三者に対抗することができない」とされていますので、所有権をめぐるトラブル防止のためにも登記は行いましょう。

登記費用は下記の2つからなります。

  • 登録免許税
  • 司法書士や土地家屋調査士に払う報酬

住宅購入に関する登録免許税については軽減措置があります。

詳しくは不動産取得にかかる税金【登録免許税】をご覧ください。

不動産取得税

不動産(土地・家屋)を取得した人に一度だけ都道府県が課税する地方税です。
取得には売買、贈与、交換、建築(新築・増築・改築)などが含まれます(相続は課税されません)。
登記の有無や有償・無償に関わらず課税されます。

住宅購入に関する不動産取得税については軽減措置があります。
評価額が1,200万円以下の建物ならば、建物取得の不動産取得税がかからないケースもあります。

詳しくは不動産取得にかかる税金【不動産取得税】をご覧ください。

固定資産税精算金

固定資産税は、毎年1 月1 日時点で土地や建物を所有する者に対して課税される市区町村民税です。
不動産の売買実務では、不動産の譲渡日からその年の12 月31 日までの期間に対応する固定資産税相当額を買主が負担する慣習が定着しています。
不動産の譲渡日からその年の12 月31 日までの期間に対応する固定資産税相当額を「固定資産税精算金」といいます。

修繕積立基金

マンションでは建物を長く快適な状態に保つため、10年から15年ごとに「大規模修繕」を行っています。
修繕積立金はこれに備えて積み立てておく費用で、毎月管理費とともに集められます。
新築マンションの場合は、毎月の修繕積立金の額を抑えるため、最初にまとまった額の修繕積立基金を集めることが一般的です。

水道負担金

水道負担金とは、水道の利用申し込みに際して水道局に納付しなければならないお金のことをいいます。
水道負担金の金額は、自治体や給水区域によっても異なり、そもそも水道加入金の制度がない自治体もあります。
水道負担金を含んだ金額を物件の販売価格として表示することが、不動産広告ガイドラインとして示されています。しかし、必ずしも徹底されているわけではないので、自治体のホームページなどで確認する必要があります。

住宅ローン費用

住宅ローンにかかる費用の概要は下記の通りです。

費用支払先
融資手数料金融機関
印紙税税務署
抵当権設定登記費用登録免許税は税務署
手続きの報酬は司法書士
火災保険損害保険会社

(1)融資手数料

融資手数料の内訳は、「保証料」と「取扱手数料」です。
通常は金利に内包される団体信用生命保険も含めて検討する必要があります。

保証料

保証料とは、保証会社に支払う費用のことです。
支払い方は、一括前払い(外枠方式)、ローン金利に上乗せして分割払い(内枠方式)があります。
保証料のない住宅ローン(プロパーローン)を取り扱っている金融機関もあります。
保証会社を入れることによるメリットデメリットはありますが、市中金融機関など保証会社を付ける場合が一般的です。

取扱手数料

事務手数料とも言われることもあり、保証会社に払う事務手数料と、金融機関の事務手数料があります。
事務手数料がない金融機関もありますが、その分金利やほかの費用に内包されています。
こちらも「一括前払い」と「金利に上乗せして分割払い」があります。
取扱手数料を金利に上乗せする場合は、一括払いより金利が低くなることが一般的です。

団体信用生命保険

団体信用生命保険(以下「団信」)とは、契約者に万が一のことがあったときに、住宅ローン残高がゼロになる保険のことです。
一般的な団信保険料は、通常金利の中に含まれています。
近年では「ガンと診断されたら住宅ローン残高がゼロ」といった「ガン団信」や、三大疾病、就業不能などさまざまな団信があります。このような団信を付帯すると金利がアップしますので、それも含めて検討する必要があります。

(2)印紙税

印紙税とは、一定の「課税文書」に課税される税金です。
住宅購入では、不動産売買契約書、建設工事請負契約書、金銭消費貸借契約書(住宅ローン契約)といった契約書を取り交わすため印紙の貼付が必要になります。
契約書は通常当事者が1通ずつ作成しますので、印紙も各1通分必要です。

(3)抵当権設定登記費用

登記とは、土地や建物の所有権などの権利関係を法務局の登記簿に記載することです。
抵当権設定とは、建物と土地に担保権を設定することです。
債務者が住宅ローンの返済が滞り返済が困難であると判断すると、金融機関は所定の手続きを踏んだのち建物と土地を競売にかけることができます。
登記費用は、登録免許税と司法書士に支払う報酬からなりますが、住宅購入に関する登録免許税については軽減措置があります。

(4)火災保険料

住宅ローンを融資する金融機関が「所定の条件を満たす火災保険へ加入すること」を義務づけている場合があります。
住宅ローン完済前に担保である建物を火災などで失ってしまうと、金融機関が困ってしまうからです。
金融機関からは、始期となっている火災保険の証書の提示を求められるケースが多いです。

その他の費用

新築住宅に建て替えるための解体費用や、地盤調査費が必要になる場合もあります。
他には、家具購入費用引っ越し費用などあります。

FP相談の現場から

住宅にかかる費用は、コントロールできるものとコントロールできないものがあります。
印紙税・不動産取得税などの税金や、水道負担金、仲介手数料は法令等に決めれていますので、交渉でディスカウントはできません。
そういった費用はそもそもの土地や建物の選択で決まりますので、物件選びが重要になってきます。
物件購入に付随する費用を含めてトータルで判断する必要があります。
購入者がコントロールできる大きなポイントは金融機関選びも含めた住宅ローンです。
金利だけではなく、保証料や団信も含めたトータルコストで判断する必要があります。
なんでもカットしてコストを抑えばかりが良いわけではありません。
コストを払っても必要な保障や機能を得られるケースもあります。
購入者のライフプランや、価値観、コスパを勘案して総合的に選択していく必要があります。
専門知識や経験がないと判断することも難しいと思います。
ぜひ独立系ファイナンシャルプランナーなどの専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

FPあちこのアバター FPあちこ 1級ファイナンシャル・プランニング技能士

浜松市の独立系ファイナンシャルプランナー

保険や投資信託などの金融商品の販売はしないコンサル専業FPです。
住宅購入の際、長年税理士事務所に勤めていながら知識がないことにショックを受ける。
そんな時にFP資格に出会い、もっと知りたい!と思っているうちに独立系FPになっていました。
税理士事務所・行政書士事務所・保険代理店・金融機関での実務経験を活かした実践的コンサルをしています。

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