年金制度改革で2022年10月から社会保険加入対象者が拡大されます。
いわゆる「106万円の壁」です。
ご主人の社会保険の扶養内で働く方は悩まれている方も多いと思います。
今回は社会保険の扶養とは直接関係はありませんが、密接に関わる「家族手当」について解説します。
家族手当とは?
各会社独自の制度で、家族を持つ従業員に支給され「扶養手当」という名称のこともあります。
手当の対象となる家族の所得制限がある場合が一般的です。
約7割の会社で導入
約7割の会社で家族手当が導入されています。
そのうち配偶者に家族手当を支給する会社は7割です。
家族手当に配偶者の所得制限あり
配偶者に対する家族手当は、配偶者の所得制限がある会社が約8割です。
所得制限の基準は「扶養」
家族手当のうち、配偶者の所得制限は「103万円」または「130万円」です。
「103万円」は所得税、「130万円」は社会保険の扶養の判定に使われる年収ラインです。
年収103万円まで 45%
年収130万円まで 36%
家族手当はいくら?
おおよそ15,000円くらい、といったところでしょうか。
年額にすると10万円を超えますので、奥様の年収100~130万円くらいだと家族手当がもらえるように働き方をセーブする方もいらっしゃいます。
見直しや廃止の傾向
最近では家族手当の見直しや廃止をする企業が増えています。
2017年4月 トヨタ自動車 配偶者手当を廃止し子ども手当へ
2017年4月 大王製紙 配偶者手当を廃止し子女手当へ
家族手当廃止の背景
・共働き世帯の増加
・成果主義への移行
・配偶者特別控除の改正(※)
※配偶者控除の改正
平成30年分から配偶者特別控除の年収上限が緩和されました。
平成29年まで パート年収 103~141万円
平成30年から パート年収 103~201万円
さらに配偶者特別控除額は年収150万円までは38万円となりました。
(夫年収1,095万円未満の場合)
まとめ
記事作成時点では約7割の会社で家族手当の制度があります。
そのうち7割は配偶者に対する手当があります(配偶者の年収制限あり)
配偶者の年収制限は103万円や130万円といった「扶養」を目安にしている場合が8割です。
扶養前後の年収で働くパートの奥様にとっては、家族手当の年収制限を気にして働き方を調整されている方も多くいます。
しかし「共働き世帯の増加」や「成果主義への移行」などの社会的背景もあり、家族手当は見直し・廃止の傾向にあります。
「配偶者特別控除の改正」「社会保険加入対象者拡大(106万円の壁)」などの法改正もあり、世帯の手取り収入を考えた場合にどのように働くのが最適なのか悩むところでもあります。
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私自身「出産退職→5年間の専業主婦→昼までパートで社会復帰→フルタイムへ」といった経験もあり「女性の働き方と扶養」は得意分野です。
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