【2026年版 住宅ローンの基礎知識】住宅ローンの繰り上げ返済

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何回かに分けて住宅ローンの基礎知識についてポイントを解説してきました。
今回は「繰り上げ返済」についてFP視点でのポイントをご紹介します。

目次

繰り上げ返済とは?

住宅ローンの毎月返済額とは別に、借入金の一部または全額を前倒しで返済することです。
繰り上げ返済したお金はすべて「元金」の返済に充てられるため、利息を減らす(総支払額を減らす)効果があります。
住宅ローンの一部繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります。

期間短縮型

毎月の返済額は変えずに、住宅ローンの終了時期(完済日)を前倒しする方法です。
利息を軽減する効果が高く、「返済額軽減型」と比較して総支払額を減らす効果がより大きいのが最大の特徴です。

返済額軽減型

返済期間(完済までの時期)は変えずに、毎月の返済額を少なくする方法です。
「期間短縮型」が「早く終わらせる」のに対し、こちらは「家計を楽にする」ことに特化しています。

期間短縮型と返済額軽減型の比較

借入金額3,000万円、借入期間35年、固定金利1%の住宅ローンを借りた場合、毎月返済額は84,685円、総支払額は35,567,700円です。
14年目初頭に300万円を繰り上げ返済した場合、期間短縮型では毎月返済額に変わりはありませんが、返済期間を3年7カ月短縮することができ、総支払額が約66万円減少しました。
返済額軽減型では毎月返済額が12,664円軽減され72,021円となり、総支払額が約34万円減少しました。総支払額を比べると、期間短縮型の方が返済額軽減型より約32万円削減効果が高いことが分かります。

繰り上げ返済のデメリット

住宅ローンの繰り上げ返済は「利息を減らす」大きなメリットがある一方で注意すべきリスクがいくつかあります。

手元の現金(流動性)が減る

返済に充てたお金は、後から取り返すことはできません。
予想外の出費で金利の高いフリーローンなどを借りると本末転倒です。
予備費は繰り上げ返済に充てず、確保しておく必要があります。

団体信用生命保険(団信)の保障額が減る

繰り上げ返済をするということは、「生命保険の保障額を自ら削っている」と同じです。債務者に万が一の場合、手元に現金を残しておいた方が遺族の使えるお金は多くなります。

手数料がかかる

繰り上げ返済手数料がかかるのが一般的ですが、インターネット経由の手続きや条件を満たした場合に手数料がかからない金融機関もあります。

運用機会の損失(機会費用)

住宅ローンが低金利の場合、繰り上げ返済に回すよりもNISAなどで運用した方が高い利回りを期待できる場合があります。

住宅ローン控除の節税効果が下がる

「住宅ローン控除」を受けている場合、繰り上げ返済で残高が減ると、受け取れる還付金も減ってしまいます。期間短縮型の場合、 返済期間を短縮した結果、当初から完済までの期間が10年未満になると控除が受けられなくなります。

14年目初頭で繰り上げ返済した場合の資金推移

前述の条件で、夫妻35歳(子は7歳と5歳)の時に住宅ローンを組み、住宅ローン控除が終わったタイミングで貯蓄約600万円の中から300万円繰り上げ返済をした場合のシミュレーションをしました。期間短縮型・返済額軽減型ともに、数年後のお子様二人の大学費用が重なる時期に貯蓄が200万円以下と心もとなくなってしまうことが分かりました。


返済に充てたお金は後から取り返すことはできませんので、繰り上げ返済をする際はシミュレーションを行ったり、デメリットについても深く検討することが必要です。

この記事を書いた人

FP知恵の蔵のアバター FP知恵の蔵 1級ファイナンシャル・プランニング技能士

金融商品を販売しない独立系ファイナンシャルプランナー
中立な立場から情報提供をしています。
セミナー講師・お金のセカンドオピニオン相談が専門。

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