【地味だけど最強の資格】簿記に救われた私の経験談

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資格ランキングでも必ず上位に入っている「簿記」。昭和の時代からあって、内容もほぼ変わらず、地味なイメージだけど、転職市場ではとても有利とされています。「簿記ってそんなに役に立つもの?」という方に、簿記資格の内容ではなく、簿記に救われた私の経験談をご紹介します。

目次

最初に簿記に出会ったのは高校時代

私の生まれ育った家庭で、簿記資格を持っている人はいませんでしたし、「持っているといい資格だよ」とすすめられたことはありません。
簿記を知ったのは、高校の授業にあったからです。

簿記の最初の授業で
「簿記は文化だから、理屈じゃなくてとにかくやって覚える」
と先生が言いました。
えー体育会系のものなの?!
超衝撃的で今でもはっきり覚えています。
最初の2週間くらい(週4限くらいかな)で、簿記の基本的な概要を説明して、そこから先は簿記3級の過去問をひたすら解くのみ。
間違えても先生の丁寧な説明はなく「そういうもんだから」「慣れれば大丈夫」「とにかく覚えて」と、やたらと量をこなしました。
4月に入学して6月にはクラスのほとんどが3級に合格しました。
生徒のポテンシャルが高かったのもあると思いますが、「簿記は文化だから、理屈じゃなくてとにかくやって覚える」が腹落ちした瞬間でした。

私はもともと数学が好きだったので、貸借が合ったときのスッキリ感が性に合ってました。

「理屈じゃなくてとにかくやって覚える」方式で、高校を卒業するまでに、日商2級、全商1級、全経1級に合格しました。

最初の就職は簿記とは無縁

最初に就職したのは簿記とは無縁のIT会社で、プログラマーをしていました。
数年後には事業統合で私の所属課全員に転勤の辞令が出ました。
仕事にめちゃめちゃやりがいを感じていたわけでもなく、転勤先がちょっと遠くだったり、私自身も若かったこともあって、転勤を辞退→退職することになりました。

会社を辞めて数カ月フラフラしていましたが、
お金もなくなりそうだし・・
そろそろ働かないと・・
次はどうしようかな・・
と思い始め「転職しても困らないように手に職をつけよう」と決めました。
そしてあまり深く考えずに「高校の時に日商簿記2級までしかとっていなかったから1級とろうかな」と
簿記専門学校に話を聞きに行きました。

どんな資格が有利なのか調べず
人に相談せず
なぜ簿記なのか疑問にも思わず
今思えば、若いからどうにかなると気楽に勘と気分で決めました。

なんとなく始めた簿記に目覚める

全日制に入るつもりで簿記専門学校に話を聞きにいったのですが、その時の担当者に「もう社会人だから社会人クラス(夜間部)でいいのでは?」と言われました。
確かに全日制に払うお金もないし、ここでも気楽に「それでもいいか」と社会人クラスに入ることを決めました。

昼間はゆるゆるバイトをして、夜は専門学校の社会人クラスに週数日通いました。
社会人クラスに来ている人は、多くは税理士事務所に勤務している方、そして一般企業のサラリーマンで、みんなビシっとスーツを着ている方ばかり・・みんな真剣に重苦しい雰囲気で授業を受けています。
趣味で来ているような私ってちょっと場違いかも・・と思いつつも久しぶりの授業は新鮮でした。

簿記の勉強をしているうちに、簿記が面白くて面白くて・・
「次に就職するのは絶対に税理士事務所にしよう!」
と決めて、すぐに求人に応募してご縁のあった税理士事務所に就職しました。

税理士事務所で働きながら日商簿記1級を目指す

税理士事務所の仕事は簿記資格の授業とは違いましたが、簿記が実務とリンクするのを実感することができました。(試験問題ではなく実際の会社の出納帳から仕訳することに感動)
就職した税理士事務所は定時にピタっと終る(終わらせるように仕事をする)ところでした。
なので、仕事が終わってから簿記専門学校へ行き、仕事帰りのスーツを着たサラリーマンに交じって授業を受けました。

よく資格は「2級と1級は別物」と言われますが、本当に日商簿記1級は別物でした。
日商簿記1級は4科目(商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算)で内容も深く、ボリュームも膨大です。
1年で4科目を履修し、あとは試験を受けていくのみですが、高校時代の「理屈じゃなくてとにかくやって覚える」が全く通用しません。

日商簿記検定は年に2回ありますが、本当に難しくて結局5回くらい落ちました。
最後の方は
なんで私は日商1級を受けてるんだろう?
1級なくても仕事はできるよね?
いままで専門学校に費やしたお金と時間が惜しいから意地になってるだけでは?
と日商1級を目指す意義が見いだせなくなっていました。

最後に落ちた時に専門学校に通うのをやめました。
しばらく勉強をお休みしていたら「やっぱり簿記って楽しいよなー」という気持ちが湧いてきました。
そして「私は簿記が好きなんだ!」と日商1級を目指す意義を見つけ、そこから半年間、家で一人で勉強して、合格率9%の回でやっと合格ができました

その税理士事務所は、出産退職するまで約10年勤務しました。
IT会社をふら~つと退職した頃を思うと、簿記を通じて仕事にも自分の人生にも責任が持てるようになりました。
事務所の税理士先生も大変な人格者の方でしたので、本当に感謝しかありません。

日商簿記1級が転職を救ってくれた

2人の子どもを出産して、末子が幼稚園に入園したのを機に今度は別の税理士事務所でパート復帰しました。
ほかにも応募者があったようですが「日商簿記1級を持っている人はそうそういないから」ということで採用されたと、後から聞きました。
その時も「日商1級持っていてよかった」と実感しました。

またしても税理士事務所に勤めている中で、自身の住宅購入の際に住宅ローンの知識がないことに気がづき、ショックを受けました。
確定申告や年末調整で、十年以上も住宅ローン控除の計算をしていたので、住宅ローンのことは分かっているつもりになっていたのです。

そんな時にFP(ファイナンシャルプランナー)という資格があることを知り、すぐに資格を取得しました。
資格を取得してからはFPとしての仕事をしたくなったのですが、FP資格を活かせる先といったら、当時は保険会社くらいしかありませんでした。
営業なんてしたことないし・・と思っていたところ、ご縁があって、FP活動をさせてくれる行政書士事務所に就職することができました。
そこでも「経理ができる人だったから採用した」ということを知り、簿記や経理の知識があったことに感謝をしました。

行政書士事務所では、行政書士補助者・経理・FPの活動をさせていただき、本当にいろいろな経験を積ませてもらいました。
末子が中学生になったのを機に、今度こそ保険代理店を基盤にしたFP事務所に転職をしました。

簿記が私の人生を救ってくれた

いくつかのFP事務所・金融機関勤務を経て、現在はフリーのFPと活動しています。
FPとして活動されている方は多くいらっしゃいますが、法人・事業主・個人・相続とすべてのコンサルをできる方は多くはいません。
私の強みは「法人・事業主・経理が分かる」ことです。
興味があっただけで続けてきた簿記や経理がこんなところで役に立つなんて・・。
若い頃に何気に出会った簿記のおかげで人生を何度も助けてもらい、本当に簿記資格を取得してよかったと思っています。

高校時代の先生が言ったように「簿記は文化」だと思います。
やってみないと理解できません。
簿記3級をとっただけでも、その文化に足を踏み入れたことになります。
簿記を学んだ人と学んでない人では天と地ほどの差があります。
だから簿記資格を持っている人が求人市場で有利とされているのですね。

「理屈じゃなくてとにかくやって覚える」で、2カ月間で簿記3級が取れたくらいなので、簿記3級はそんなにハードルの高いものではありません。
今はオンラインで学べる講座もありますので、ぜひトライしてみてください。

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この記事を書いた人

FPあちこのアバター FPあちこ 1級ファイナンシャル・プランニング技能士

浜松市の独立系ファイナンシャルプランナー

保険や投資信託などの金融商品の販売はしないコンサル専業FPです。
住宅購入の際、長年税理士事務所に勤めていながら知識がないことにショックを受ける。
そんな時にFP資格に出会い、もっと知りたい!と思っているうちに独立系FPになっていました。
税理士事務所・行政書士事務所・保険代理店・金融機関での実務経験を活かした実践的コンサルをしています。

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