それって人生の目的に合ってますか?

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「子ども達の部活もひと段落したし、受験に入る前に旅行に行こう」
と宿も予約して準備万端の矢先に、新型コロナウィルスが蔓延拡大。
あれよあれよという間に、また部活も忙しくなったり、反抗期?で家族旅行拒否・・
とすっかりタイミングを逸してしまいました。
子ども達が落ち着けばまた旅行はいけますが、その時の年齢で経験したくて決めた旅行だったので、完全にチャンスロスとなってしまいました。

「お金は使うべき時に使わないと意味がない」とつくづく思います。

お金の「貯め方」は書籍でもネットでも情報はあふれていますが、「使い方」の情報って「貯め方」に比べたら少ないような気がします。

「ファイナンシャルプランナー(FP)は資産の増やし方を教えてくれる人」「保険の見直しをしてくれる人」と思われることが多いです。
たしかに保険や資産形成提案はFPの業務の一環ですが、それだけが仕事ではありません。
FPの基本業務は「ライフプラン作成」です。

今回はちょっと原点に立ち返る話をしたいと思います。

目次

情報はどこから得る?

昨今の2000万円問題しかり、老後の生活資金に不安を感じている方はとても多いです。
(むしろ感じていない方の方が少ないです)
老後のためにコツコツ貯金をしておくことはもちろん大切です。

この「老後不安」の心理を利用して、金融商品は販売されているわけです。
逆に老後の不安を気にしないと貯金なんてできないですからね!

詐欺は論外として、金融商品は自分で選んで決めていくことになります。
しかし金融商品選びは素人には難しいです。
日本ではお金に関する教育を十分にしてもらえないので、自分で判断するには知識が足りません。
なので、親・親族・知人・友人・会社の同僚・ネット・・そして金融機関の方から情報を得ます。
「誰に聞くのか」で大きく人生が変わってしまいます。

「貯蓄型保険」加入目的は?

最近の円安で「月々のドル建保険料の支払いが苦しい」というご相談をよく受けます。
ドル建で死亡や高度障害の保障があり、払込満了後から解約返戻金が払った保険料以上に増えている、というものです。
払込満了前に解約すると、戻ってくるお金は払った保険料よりはかなり少なくなってしまいます。
しかし死亡や高度障害なのどの保障はドル建で確保されていますので、保険としての機能はちゃんとあるわけです。
契約時の為替レートは100円台前半だったものが、現在は130円台(2022年8月現在)。
ざっくり30%も月々の保険料が増えているので、負担感ありますよね。
死亡や高度障害の保障が必要で加入した保険なら目的に合ってます。
(円安なので保険金はむしろ多くもらえる)
しかし、貯蓄目的となると微妙ですよね。

ここで何の目的で加入したのか再確認が必要です。

お子様の教育費目的なら、お子様の進学年齢前に払込満了となっているはずです。
お子様の進学時、必要になったら解約するわけですが「その時の為替レートが良くなかったら良くなるまで待ちましょう」という提案を受けた方も多いと思います。
死亡や高度障害などの保険金受取時も同様で「為替が良くない時は、ドルで受け取って円転は待ちましょう」とご提案されていると思います。

これはドル建などの外貨建保険に限らず、投資信託で運用する変額保険も同様です。
変額保険の運用が不調な時は「待ちましょう」となるわけです。

「待てる」ということは、他にも余剰資金がある方でしょうから、この貯蓄型保険は資産運用の一環として入られたと思います。
もし、なけなしのお金で貯蓄型保険に加入されているのなら心配です。

「貯蓄型保険」メリットデメリット

「保険で資産形成」とよく聞きますよね。
貯蓄型保険のよく言われているメリットをあげてみました。

・外貨に変えたり、国債を購入したり、運用したりといった手間を保険会社がやってくれる。
・解約や給付の際も、円転など保険会社がやってくれる。
・予定利率は円建より高い場合が多い
・最低保証利率がある(変額保険は最低保証はない)
・死亡や高度障害の保障がついている。
・受取人を指定できる。
・相続税の非課税枠を利用できる。
・解約・満期時は一時所得となるため、節税となるケースも(5年以内の解約は源泉分離課税となるケースあり)
・外貨建保険は、その外貨の国の債権で運用しています。20年、30年といった長期国債は個人では購入できません。保険会社などの機関投資家でないと購入できないため、保険に加入することで間接的に長期国債を購入できる。

デメリットは下記のような感じです。

・保険会社の手数料や危険保険料が引かれるため、支払った保険料の全額が運用に回るわけではない。
・為替手数料がかかる
・10年以内など、決められた期間内に解約するとペナルティがある。
・価格変動リスクがある
・外貨建保険の場合、為替の影響のほかにも、債券相場の影響(市場価格調整)がある。

保障や受取人の指定といった保険ならではの部分は円建の掛け捨て保険で代用できます。
非課税枠や一時所得は保険ならではの特徴なので、ここに魅力を感じる方はアリかもしれません。

その他の運用は自身で投資信託やETFを購入してもできることです。
「自分でやるのは手間だから、保険会社に手数料を払ってもいいからやってほしい」という場合はアリです。

途中解約するとペナルティがある「拘束力」は、簡単に解約できないから資産形成につながるといった考え方もできます(^^;
老後資産形成の国の制度「iDeCo」にしても、原則60歳以降にならないと引き出すことができません。
それぐらいの拘束力がないとお金を貯めることはできないですからね。

まずは「人生の目的」を確認

外貨建保険は外国債権で運用しているので、日本の国債よりは予定利率はいいことが多いです。
しかし、増えるという意味では株や投資信託の方が増える可能性は高いです。
外国債券で運用して、ある程度の満期金や解約返戻金を受け取ろうと思うと、それなりの積立額と積立期間が必要です。

最初の話に戻ってしまいますが、老後資金準備目的で外貨建保険に加入される場合、払込満了までの期間は長くなりがちです(60歳前後とか)
そして老後資金の目標額を高く設定するとそれなりの積立額(保険料)になります。

日本の普通預金や定期預金の超低金利しか見てないので、外貨建保険の予定利率や最低保証利率を見てしまうと「おおっ」って思いますよね。

結婚前や子どもがまだいないお若い方は、外貨建保険に毎月けっこうな金額をかけている方は多いです。
しかし、住宅ローンを組んだり、子どもの教育資金準備を考え始めたりすると、家計に余裕がなくなってしまうことが多々あります。
解約や減額すると、ペナルティがあって損してしまうし・・(これは変額保険にも言えることです)
こういったご相談は本当に多いです・・

もし、定年くらいまでかけて外貨建保険の保険料を払うことができて、それなりの金額を受け取ったとして、人生の目的は達成できそうでしょうか?
けっこうな金額の保険料を払っても生活が回るサラリーマンの方なら、それなりの年収があったと思われますので、公的年金も多くもらえそうです。
「セカンドライフを充実させたかった」なら目的に合致していますね!
現役時代にたくさん旅行に行ったり、子どもにお金をかけたい、と思うなら、ゴール設定や積立額、運用方法がズレている可能性があります。

「儲かるから」といった理由で、ゴール設定なく始めてしまうと、家計が苦しくなったり、使うべき時にお金が使えなくなってしまいます。
途中解約で損したり、保険を続けるために借り入れしたり、といった本末転倒にもなってしまいます。

そもそも老後資金にフォーカスするならば「複利効果」を使って資産形成することが効果的です。
iDeCoやNISAといった国の非課税制度も利用したいですよね。

本来ならば、ライフプラン(キャッシュフロー表)を作ってから始めるのがベストです。
FPの基本業務です・・

またまた最初の話になってしまいますが「誰に聞くのか」で人生は大きく変わります。
これはお金に限った話ではないですが、奥深いテーマなので私も時々考えさせられることがあります。
長文になりましたが、FPの原点回帰の話でした。

この記事を書いた人

FPあちこのアバター FPあちこ 1級ファイナンシャル・プランニング技能士

浜松市の独立系ファイナンシャルプランナー

保険や投資信託などの金融商品の販売はしないコンサル専業FPです。
住宅購入の際、長年税理士事務所に勤めていながら知識がないことにショックを受ける。
そんな時にFP資格に出会い、もっと知りたい!と思っているうちに独立系FPになっていました。
税理士事務所・行政書士事務所・保険代理店・金融機関での実務経験を活かした実践的コンサルをしています。

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